第63回定期演奏会 ご来場御礼

第63回定期演奏会、終了致しました。
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
今回より電子チケット(teket)の取り扱いを開始したため、ご入場の際ご負担をおかけすることとなり申し訳ございませんでした。

今回のプログラムは、伝説のバレエ団「バレエ・リュス」に由来したバレエ音楽を集めました。会場で配布したプログラム冊子では「同じバレエ音楽ながらも個性豊かな3人の作曲家にかかると表現が全く異なる」と書きましたが、この点には最後まで苦労させられました。

このところ、なぜか頻繁に各地のオーケストラで演奏されている「プルチネルラ」は、小編成ということもあって水響ではなかなか取り上げにくかったのですが、長年にわたる一団員の愛情ある推薦により漸く実現しました。
この曲、まさに聴くのと演奏するとは大違いの典型で、どこでブレスをとるのかさっぱりわからないファーストファゴットをはじめ(ときどきセカンドファゴットがヘルプに入りますが、奏者からの切実な懇願があったはず)技術的には本当に奏者泣かせでしたが、水響の新しい一面をお見せできたと思います。

今回、日本初演の名誉をいただいた「かかし王子」組曲は、うってかわって、4管編成+サキソフォーンやチェレスタ(連弾!)の大編成。弦楽器は各プルトごとにソロが書かれ、特に、パートの後ろのほうから徐々にメロディーが重なっていく序奏部ではその効果が絶大で幻想的な情景が表現されていました。また、鍵盤楽器などの使い方などは、ストラヴィンスキーの出世作である「火の鳥」全曲版を彷彿とさせ、本当にロマンの香りに満ちた名曲と思いました。
「火の鳥」はあれほど演奏されているのに、なぜか機会がないままでしたが、今回を機にもっと演奏されることを願ってやみません。

「シェヘラザード」は、今回の3曲では圧倒的に演奏頻度が高く数多の名演奏が存在しています。同じくプログラム冊子に「楽譜を見ると作曲家の指示は限定的で奏者の解釈に委ねられている」と書きましたが、まさしくその通りの作品でした。
井﨑先生の全身から迸るオーラにあおられ、リハーサルを重ねるたびに音楽がどんどん変わっていきました。
特に、若きコンサートマスター森君をはじめとしたソリスト陣、手前味噌ではありますが、本当に素晴らしかったと思います。このようなご時世でなければステージ上からブラヴォーの嵐を送りたかったです。

井﨑さん(「先生」はやめときますね笑)を水響に客演指揮者として推薦したのは実は私でした。勤務先のオーケストラで初めてご指導いただいたのですが、とにかくエネルギーに圧倒されました。さらに、それを裏打ちする確実なテクニックに触れ、これはお招きするしかないと思いました。
酒席での傍若無人な盛り上がり度合いに比べ、練習中は本音を出すのに意外に時間がかかる実はシャイ集団の水響にはまさに適任。
その出会いによる化学反応はまさにご覧いただいた通りでした。
お迎えできて本当に良かったです。ありがとうございました。

さて、次回の演奏会ですが、12/25(日)クリスマス当日、本日と同じくすみだトリフォニーホールで開催します。
クリスマスといえば、シティ・ポップの世界では、山下達郎「クリスマス・イブ」・稲垣潤一「クリスマスキャロルの頃には」ですが、やはり何をおいてもこの曲、チャイコフスキー「くるみ割り人形」全曲をメインにしたプログラムです。
ルロイ・アンダーソンの名曲「クリスマス・フェスティバル」もオルガン付きフル編成で演奏します。合唱ももちろん入ります。
そのほかにも様々な趣向を凝らして皆さまをお待ちしております。
ぜひ楽しみにしてください!

水星交響楽団運営委員長 植松隆治