【ご来場御礼】

第62回定期演奏会、終了致しました。
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

速度記号で「快速に」を意味する「アレグロ」を一つのテーマとした演奏会、どのようにお感じになったでしょうか。3曲とも第二次大戦後に書かれた比較的新しい作品であり、モーツァルトやベートーヴェンなどのアレグロとは少し異なり、かなり個性的かつ独創的な意図を持ったアレグロだったように思います。

伊福部昭さんは「私のアレグロは速すぎてはいけません」と仰っておられたそうですし、ショスタコーヴィッチ12番の第1楽章は速いテンポの中に音符をこれでもかと詰め込んで、しかもテンポを変えることはないという演奏者にとってはある意味苦行を強いられる音楽です。キース・エマーソンが楽譜に速度記号を書いていたかはよくわかりませんが、編曲者である吉松隆さんは、タルカスの1曲目で「アレグロ・モルト」と記しており、終曲の最後で冒頭部分が回帰する部分には「アレグロ・モルト!」と「!」マーク付きで更に速い指定をされ、テンポについて明確な意図を示されています。

古典作品では「快速」というとどちらかと言えば「流麗」と解釈できるように思いますが、この3曲はそれとは違って「自発的に激しく動く、もしくは動かざるを得ない」というもっと根源的なものを、演奏していて強く感じました。演奏している側は非常に体力が必要なプログラムでしたが、聴いていただいた皆さまも大変だったと思います。改めて御礼申し上げます。

足元の客観的情勢は少しずつ明るさが見えてきましたが、まだまだ予断を許しません。これからもいろいろと配慮しながらも活動を継続していきたいと考えております。引き続きご支援いただければ幸甚です。

次回は、ハンガリーと日本で幅広く活動しておられる井﨑正浩さんをお迎えし、ストラヴィンスキー「プルチネルラ」・バルトーク「かかし王子」演奏会用組曲・リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」という、ちょっとひねった「バレエ・リュス」プログラムです。2022年5月22日、会場は同じくすみだトリフォニーホールです。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

水星交響楽団運営委員長 植松隆治

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